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インスタグラムで流行りだしたフィルム風の写真や実際にフィルムカメラで撮影した投稿に便乗してオールドレンズを使う人が増えてきています。
オールドレンズを使うと普段とは違った雰囲気の写真を撮れるので楽しいですよね。
特に逆光など光を取り入れて最近のカメラでは撮影できないフレアやゴーストを撮影をするとオールドレンズらしさがすごくよくでます。
ちゃんと綺麗に撮れるのに価格は安いもので3,000円程度から買えるのも人気のポイントです。
本記事ではオールドレンズの基本的なところから、実際のオールドレンズによる作例なども紹介していきます。
- オールドレンズってよく聞くけど何?
- オールドレンズはどんな写真が撮れるの?
- オールドレンズと普通のレンズで撮り方は違う?
オールドレンズってなに?

オールドレンズはフィルムカメラ用に作られたレンズのことを指しています。
なので基本的には中古レンズになります。
低価格で高画質

しかし、中古レンズだからといって綺麗な写真が取れないかというと全くそんなことはなく、驚くほど綺麗に撮れるレンズも多数あります。
また、ミラーレスやデジタル一眼用につくられたレンズと比べると価格も非常に安い価格帯になっています。
後ほど代表的なオールドレンズなども記載していますが、探せば安いもので3,000円程度から購入可能です。
独特のボケやフレア・ゴーストが楽しめる
オールドレンズは現在のレンズと比べるとクセの強いレンズが多く、絞りを解放した際に表現できるボケにもそのクセが色濃く出るレンズがあります。
そのボケの特徴から「ぐるぐるボケ」「星型のボケ」などと呼ばれています。
また、逆光などでレンズに光を入れた場合にフレアやゴーストが出るのもオールドレンズの特徴です。
下の写真の虹色の輪や右下の光などがフレアやゴーストと呼ばれるものです。

この写真のはあまりうまく活用できていませんが、オールドレンズは比較的このフレアやゴーストが逆光時に発生しやすいので通常のレンズとは違った表現をすることが可能です。
この表現をしたいがためにオールドレンズを買う人がいるほど。
(僕自身、フレアやゴースト、逆光時のふんわりとしたボケ具合に惹かれてオールドレンズを使い始めました)
オールドレンズを使うためのハードル

安くて高画質でボケやフレアなど味のある写真が撮れるのになんでみんなオールドレンズを使わないのかというと、フォーカスがマニュアルにしか対応いていないというのが大きな理由になるかと思います。
これらは普段オートでしか撮影指定ない人にとっては少しハードルが高いかなとも感じます。
といっても慣れれば自然にできますし、普段からマニュアルモードなどで撮影している人からしたら当然の内容になります。
マニュアルフォーカスしか使えない
フォーカスってのはピント合わせのことで、最近のカメラはオートフォーカス(AF)の性能が非常に優れているものが多く販売されています。
シャッターを半押しするとすぐにピントが合いますよね。
あれは、カメラが自動的に被写体を検知してピントを合わせています。
ピント合わせを自動でやってくれるのがオートフォーカスで誰でも簡単に綺麗な写真が撮れるようになっています。
マニュアルフォーカスの場合だと、ピント調整を手動で行う必要があります。
ファインダーを覗きながら、カメラのピントリングを回して被写体にピントを合わせることでようやく綺麗な写真が撮れます。
慣れれば簡単ではありますが、やはりオートフォーカスの方が手軽なため、マニュアルフォーカスしか使えないオールドレンズを使う人が少ないです。
マニュアルフォーカスでの撮り方は以下記事を参考にしてください。

代表的なオールドレンズ

いくつか代表的なオールドレンズを紹介しておきます。
SuperTakumar 55mm F1.8
もっとも普及しているといっても過言ではないオールドレンズの代表がこちら。
メルカリだったりヤフオクだったりでも大量に出品されています。
相場はだいたい6,000円前後です。
このレンズの特徴は絞り解放で綺麗なボケが撮れるのが特徴です。
最近のレンズと比べると全体的に柔らかく淡い雰囲気に撮れます。
また、55mmという焦点距離なのでブツ撮りとポートレート共に活用が可能です。
下の写真はα6500にSuper Takumar 55mmを付けて海岸で逆光撮影をしたものです。
オールドレンズ独特のふんわりとしたボケ具合と全体の淡さがよく表現されています。
特に夕日のタイミングで逆光撮影をしたので夕日が優しくぼやけており、若干のフレアも発生しています。
このシーンも通常のレンズだともっとパキッと仕上がってしまうためこの雰囲気はオールドレンズだからこそ撮れるものになります。

続いて別のシーンをもう一枚。
こちらはオールドレンズ独特というよりかはこういう写真も撮れますよという参考までに。
α7ⅢにSuper Takumar 55mmを付けて撮影しました。
背景にイルミネーションの玉ボケをおいたポートレートです。
色合いこそは若干オールドレンズの雰囲気がありますが、通常のレンズとそこまで変わらない描画が行えているかと思います。

このように逆光を入れるとグッとオールドレンズらしくなり、それ以外のシーンでは色合いこそオールドレンズっぽい淡い感じが出るものの通常のレンズと変わらない描画が可能です。
同様の焦点距離の単焦点レンズを使っている方はオールドレンズに切り替えてみると写真の表現の幅を広げることが可能かと思います。
Helios 44mm F2
Helios 44mmは絞り解放時の「ぐるぐるボケ」が有名なレンズです。
相場はSuper Takumarより少し高く1万円前後で販売されています。
海外オークションのeBayとかだと綺麗なやつが6,000円前後で購入可能です。
このレンズの特徴は下の写真のように背景のボケが大きな渦を巻いているように見えるのが特徴です。
それ以外は他のオールドレンズと変わらず、解像度も高くボケ自体も綺麗です。
玉ボケなども綺麗に撮影可能です。

Heliosもまた独特な雰囲気の写真がお手軽に撮れるのでおすすめです。
Contax Planar 85mm F1.4
こちらは高級レンズメーカーであるカールツァイスのオールドレンズです。
先に紹介したオールドレンズとはまた一風違ったレンズとなっていて、このレンズはオールドレンズの雰囲気を味わうというよりかは最高品質のレンズを安く手に入れたい人にとっておすすめしたいレンズになります。
相場は5万円前後とオールドレンズの中では高いですが、その解像度は素晴らしく現行のレンズで同様の解像度のものを買うとしたら数十万はするのではないでしょうか。
オールドレンズらしさは薄いですが、非常に評価も高くおすすめしたいレンズの一つになります。
オールドレンズが使えるカメラは?
オールドレンズの魅力について紹介しましたが、実際にオールドレンズが使用できるカメラについてです。
結論から言うと、「ほとんどのカメラでオールドレンズは使用可能」です。
ただ、大抵はそのままつけることができないので「マウントアダプター」を利用する必要があります。
マウントアダプターとは
マウントアダプターは型の違うレンズを装着するために使うものです。
本体とレンズの間に挟んで使います。
オールドレンズのマウントは古いタイプのものが多く、先ほど紹介したSuper TakumarやHeliosはM42というマウントになります。
これはスクリュータイプのマウントで現在発売されているミラーレスや一眼カメラには無いマウントになります。
そういったマウントが合わないレンズを本体に接続するために各マウントに合わせたマウントアダプターというものが販売されています。
例えば、SONYのEマウントとM42用のアダプター、オリンパスやLUMIXなどマイクロフォーサーズとM42用のアダプターなどです。
これらのマウントアダプターを利用することで大抵のレンズを装着することが可能となります。
マウントアダプターを経由することでオートフォーカスが使えなくなったりするのですが、オールドレンズはそもそもがマニュアルフォーカスなのでそういったこともあまり気にする必要もありません。
マウントアダプターは様々なものが販売されていますが、コスパの良いメーカーとしては「K&F Concept」の製品をおすすめしておきます。
α7Ⅲ、α6500とこのアダプターを利用していますが問題なく利用できています。
CONTAX PlanarはC/Yマウントとなっていますが、こちらもEマウントに変換可能です。
オールドレンズでの撮影方法は?
オールドレンズでの撮影方法は基本的にはマニュアルフォーカスでの撮影方法と同様になります。
基本的な差分はオートフォーカスが使えないぐらいなのでマニュアルフォーカスを普段から利用している方であれば問題なく使えるでしょう。
普段、マニュアルフォーカスを利用していない方でも、「ピーキング機能」という機能を使えばフォーカスを合わせること自体は簡単に行えるかと思います。
ピーキング機能やマニュアルフォーカスの利用方法については以下の記事で記載しているので参考にしてください。

まとめ
格安で雰囲気のある写真や高画質な写真が撮影できるオールドレンズについて紹介しました。
インスタなどで見かける雰囲気の良い写真を撮りたい方やフィルムカメラに挑戦したいけど少しハードルが高いと思っている方にはぜひ試してもらいたいのがオールドレンズです。
最初に紹介したSuper Takumarであればマウントアダプターと合わせても1万円もせずに購入が可能です。
また、ここで紹介したレンズ以外にもオールドレンズの数はめちゃめちゃ多いのでいろんなレンズを試してみるのも楽しいかと思います。
(オールドレンズは現在のレンズと比べると個体差も激しいと言う話しもあるので。。)
何はともあれ今までと一味違う写真を撮りたい方はぜひ試してみてください。