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最近よく見かけるようになったのが出張撮影サービス。
特に七五三やお宮参りなどで利用されることが多いようです。
本格的にプロのカメラマンに頼むのは高すぎるけど出張撮影サービスであれば手頃な価格でプロ級の技術を持ったカメラマンに撮影を依頼することができるため気軽に利用される方が多いようです。
スマホのカメラが高性能化してきているとはいってもやはり自分たちで撮影するのとプロが撮影するのでは写真の出来が違います。
またカメラマンに依頼することによって自分たちは撮影自体は全く意識せずに単純にイベントを楽しむことができます。
本記事ではそんな出張撮影サービスにカメラマンとして登録するための手順と実際に時間した技術の基準や各サービス毎の登録判断基準などわかる範囲で記載していきます。
ちなみに僕自身は今回出張撮影サービスに登録しようと思って4社に応募し、その内2社に登録されています。
その辺りは僕自身の技術も含めてどのサービスは選考が通ってどのサービスで選考に落ちたかなども記載します。
- 出張撮影サービスってどの程度のカメラの技術があれば登録できるのか
- 各サービス間の特徴や登録すべきサービス
筆者自身の技術レベルと選考結果
簡単に僕自身のカメラに関する経歴やスペックを記載します。
- カメラ歴:5年ほど
- 使用カメラ:α7Ⅲ
- 使用レンズ:多数(APS-C・フルサイズ・オールドなど)
- 主な撮影:ポートレート
- 現像ソフト:Lightroom(割と最近から)
完全に趣味の領域でやっているため、5年と記載していますが5年がっつりやっていたわけではありません。
また撮影自体も特定の人物のポートレートがメインのため作例自体は割と同じテイストが多いです。

最近はRAW撮影してLightroomでレタッチするようにしていますが、過去に撮影したほとんどの写真はJPEG撮ってだしになります。
そのためポートフォリオ自体も8割ぐらいは撮って出し。
そんな状態で4社に応募してそれぞれ以下の結果となりました。
- OurPhoto:採用
- FOTORIA:採用
- fotowa:一次選考不採用
- ラブグラフ:二次選考不採用
この結果を踏まえた上で選考次に重要なポイントや各サービス間の違いなどを紹介していきます。
出張撮影サービスとは

まず最初に簡単に説明すると、出張撮影サービスとは撮影してほしい人と撮影したい人のマッチングサービスです。
撮影してほしい人はプロに頼むのは高くて躊躇してしまうが、気軽な価格で自分たちで撮るより綺麗な写真を撮ってもらいたいという要望を持った人です。
依頼のある撮影は「お宮参り」や「七五三」など特別な日から「家族写真」や「カップル写真」「友達」など日常を綺麗に残したい場合などに利用されます。
一方撮影した人というのはプロやハイアマチュアと呼ばれるある程度の撮影技術を持った人を指します。
登録されているカメラマンのうち多くが本職とは別でカメラが好きで撮影しているというハイアマチュアに分類される人が多い印象です。
出張撮影サービスにカメラマンとして登録するには

カメラマン自体は各サービスから応募することが可能でだいたい以下の2つの選考によって登録が決まります。
- ポートフォリオや志望動機などの書類による一次選考
- グループや個人による面談の二次選考
ポートフォリオや志望動機などの書類による一次選考
過去に撮影した写真をポートフォリオとして提出します。
提出の形式は自由で
- インスタグラム
- Googleフォト
- ポートフォリオサイト
などで自身が撮影した写真を見れる形式で共有すればOKです。
共有する枚数は10〜20枚程度で自信のある写真や様々なジャンル(お宮参りや七五三、結婚式など)やシーンでの写真を登録するのがベターです。
が日常的に様々なジャンルで撮影できている人はレアだと思うので自分が過去に撮影したものだけでも問題ありません。
ただ、あまりにも枚数が少なくて技術レベルが判断できない場合は選考に落とされる可能性があるためある程度見せれらる写真の枚数を確保する必要があります。
またRAW撮影してちゃんとレタッチをしているかなどもチェックポイントになるため、全体的に写真の雰囲気などは統一感を出した方がなお良さそうです。
- お宮参りや七五三など多様なジャンルの作例があると○
- 寄りと引き、バストアップと全身など構図もバラエティあると○
- インスタグラムやGoogleフォトなど媒体はなんでもOK
- RAW撮影してレタッチを加えて統一感を出した方が○
グループや個人による面談の二次選考
一次選考が通ると次は面談での選考になります。
僕は4社に応募しましたが、そのうち3つは一次選考を通過して二次選考に進みました。
fotowaのみ一次選考で落ちましたが、基本的には各社登録カメラマンの人数を増やしたいと思っているのでよほど酷いポートフォリオでない限りは通過するようです。
二次選考でポートフォリオ見れなかったので再送してもらえますか?と言われている人もいたのでなんならポートフォリオを見ていないところもありそう。。
グループでの面談か個人の面談かは各社異なりますが、僕が受けた3社はそれぞれ以下のような感じでした。
- ラブグラフ:グループ面談
- OurPhoto:グループ面談
- FOTORIA:個人面談
話す内容としてはいずれも共通で
- カメラの経歴(撮影経験)
- 志望動機
- 簡単な質問(現像ソフトや知識など)
ぐらいです。
(ラブグラフはもう少し問いかけがありましたがそれは後ほど記載します)
あとは向こうからのサービス説明と質疑応答ぐらいで正直二次選考で選考されている感があったのはラブグラフぐらいでした。
特にOurPhotoは一緒にグループ面談を受けた人は全員通ったのではないか?というぐらいふるいにかける感じがなくほんと簡単な質疑応答だけでした。
逆にラブグラフに関しては少し特徴的で撮影技術どうこうよりも写真に対する想いなど考え方でのふるいがかけられている感じがありました。
出張撮影サービスでカメラマンとして活動するために必要な技術

いくつかの出張撮影サービスにポートフォリオを提出してみて実際に面談を受けてみて必要そうな技術などを紹介していきます。
- F値やISO、SSなど基本的な撮影の知識
- RAW撮影と現像の基礎知識
- 実際の撮影経験(結婚式やお宮参り、七五三など)
F値やISO、SSなど基本的な撮影の知識
ラブグラフなどでは面談の途中にスキルチェックとして簡単な問題が出題されます。
その時に聞かれるのが「F値をあげるとどうなるか」「絞りを解放するとF値はどうなるか」「写真の露出に関わる設定はどれか」などの撮影の基本的な知識です。
正直このあたりを聞かれたのがいくつか面談を受けた中でもラブグラフだけでしたがポートフォリオと合わせて念のためのチェックという感じでした。
RAW撮影と現像の基礎知識
いずれのサービスでも面談時にRAW撮影時の現像にどのソフトを利用しているかといった質問がありました。
基本的にはどこのサービスもRAW撮影が基本で現像・レタッチ処理を各カメラマンが行なった上でお客様へ納品という流れになっています。
実際の撮影経験(結婚式やお宮参り、七五三など)
どこのサービスもカメラマン自体にグレード(それによって報酬が変動する)があるのですが、一部のサービスでは実務経験がそこに影響するような印象を受けました。
ただ、ここに関してはあればより良いという意味合いで実際に経験がないからといって不採用になるわけではなさそうです。
二次選考でグループ面談を受けた時に周りの人も友人や知人を少し撮ったことがあるというぐらいの人がほとんどでした。
各サービスの特徴と選び方

出張撮影サービスは多数ありますが、その中でもカメラマンとして登録する場合にどういった視点で撮影サービスを選べば良いのかという点について記載していきます。
撮影依頼の多い人気サービスの選び方
各サービスにカメラマンとして登録する場合に最も気になるのが
- 撮影依頼がくるかどうか
- 撮影時の報酬
- 求められる撮影スキル
だと考えており、特に一番上の「撮影依頼がくるかどうか」はそもそも的な話しでせっかく登録してもそのサービス自体があまり利用されていない場合は意味がありません。
そのため、僕自身は以下の観点から応募の優先度をつけました。
- 出張撮影関連のワードで検索した時に上位に表示されているか
- 検索広告を出稿しているか
やはり現時点では出張撮影サービス自体検索からの流入が多いはずなので集客がちゃんとできているかという点をまずは見ました。
例えばこの記事を記載している時点で「出張撮影サービス」と検索すると以下の順に各サービスが表示されます。
※この上に広告出稿がありますが、一旦そこは除いています。

基本的に一番上のクリック率が高く、上位3位だけで80%程度が持って行かれます。
そのため、この上位3位前に入っているサービスにカメラマンとして登録できると仕事の撮影依頼自体来やすくなります。
この例であげると上位3サービスは
- OurPhoto
- ラブグラフ
- GMO
になります。
ただここの順位は日々変動するのでそのタイミングに応じてという話しにはなりますが、いきなり大きく変動することは稀なので基本的には現在検索結果の1ページ目に入っているサービスを中心に登録を行うと効率良いです。
各サービスの特徴による選び方
そもそも撮影依頼がくるかという点については先ほど記載しましたが、各サービス毎の違いなどもここに記載していきます。
ここに記載する内容は僕自身が各Webサイトを見て得た情報と選考を通して得た情報から独自の判断で記載しています。
そのため、一個人の意見として参考にしていただければと思います。
OurPhoto

カメラマンに一番親切と感じているのがOurPhotoです。
撮影時のマニュアルやお客さんの要望をヒアリングするためのカット集などが事前に用意されています。
その代わり撮影時の報酬のスタート金額は他社と比較しても少し低め。
良い評価をいくつかもらう毎に報酬が少しずつ上昇していくシステムになっています。
審査自体は簡単でそれっぽいポートフォリオを準備しておけば誰でも登録ができそうです。
そのためか登録しているカメラマンは1,000人近く在籍しているようです。
一次審査はポートフォリオや経歴による審査です。
一次審査が通ると次は二次審査の予約を行うのですが、この二次審査が月に数回しか開催されていないため、予約が1~2ヶ月後という感じでした。
登録までに時間がかかってしまうのは少し残念。
二次審査はグループ面談で撮影経験や利用している現像ソフト、OurPhotoの制度の紹介を受けて完了です。
二次審査を受けた当日にすぐに審査通過の連絡が来ました。
カメラマン側としては簡単な審査で登録できて、検索結果上位で撮影依頼も多そうで良いのですが、在籍カメラマンが多いためパイの取り合いが発生しそうです。
また審査が簡単すぎてカメラマンの品質維持はできていなさそう(当たり外れがありそう)という印象を受けました。
ラブグラフ

カメラマンの質にもっともこだわっているのがラブグラフです。
というのもラブグラフの場合、審査を通ったとしてもいきなりカメラマンとして撮影依頼を受けたりすることができません。
LGC(LoveGrapher Creation)というラブグラフが主催する講座に通う必要があり、ここで一定の基準を満たすことによってラブグラファーとして正式に撮影依頼を受けることができるようになります。
ちなみにLGCは有料です。

LGCに関しては賛否両論ありそうですが、個人的にはカメラマンの質を保つ良い仕組みだとは思います。
これが無料であれば最高なのですが、そこはやはりビジネス臭は否めません。
実際にLGCを受講したことがあるわけではないので実際の講座内容まではわからないのですがラブグラフの人に話を聞いた感じではお題が出され、そのお題に沿って撮影してレタッチして講師から合格認定がもらえれば即卒業となるようです。
また、ラブグラフはLGC自体も特殊な制度ですが選考自体も少し特殊(というか雰囲気が他社と全然違う)です。
一次選考は他社と同様にポートフォリオや志望動機を提出するだけでここは割とすんなりと通りそうです。
二次選考では志望動機を聞かれたり会社の説明をされた後にラブグラフのカメラマンとは何か、出張撮影サービスで顧客が求めているものは何かなどの問いかけがいくつか行われます。
ラブグラフでは想いを大切にしているようなので「ただいろんな人を撮影したい」「撮影でお金を稼ぎたい」とかだけだと落とされます。
感動が一つのキーワードとなっていていつの時代だよとかは思いましたが、そういう空気感が好きな人にとっては同じ想いの人たちが集まるラブグラフは良い空間になると思います。
またラブグラフの二次選考は選考当日のグループ面談だけでなくメールでのやりとりや文面なども評価対象となるようです。(実際にサービスを利用してもらうお客さんとはメールでのやりとりになるためそういった点もチェックが入る)
それ以外にも以下の点などはラブグラフを受ける上でしっかりと固めておいた方が良さそうです。
- メール返信の速さ、丁寧さ
- 話を聞くときの態度
- 志望動機
ラブグラフではポートフォリオや撮影実績よりも相手との接し方やお客様への想い的なところの方が選考では重要視されていそうです。
技術的なところは選考後のLGCで鍛えれば良いだけで、そこで鍛えきれなければ結局はカメラマンとして登録されないのでそういう意味では選考が大きく別れていると考えると良いかもしれません。
その反面ラブグラフのカメラマンはカメラマンとして活動する前にLGCで技術的なところは磨かれるため、サイト上に掲載されているカメラマンの質は担保されているとは思います。
そういった意味では利用者側としてはラブグラフはおすすめです。
FOTORIA

FOTORIAは検索上位などではありませんでしたが、当初出張撮影サービスを探していた時にたまたま見つけたため最初に応募したところです。
OurPhotoやラブグラフと比較するとサービスや選考などで特段変わったところはなくよくある出張撮影サービスの一つといったところです。
唯一他社と異なる点があるとすると、登録時のランクが経歴や技術によって変わるという点が挙げられます。
FOTORIAでは5段階のステージがあり登録時に割り振られるのですが、いきなりパールやブロンズなどに登録されることもあるようです。

サービス側に30%手数料を持っていかれるので実際には上記の金額の7割しか手元には残りませんが、最初からある程度高い報酬をもらうことも可能です。
ホワイトの場合は1時間の撮影でだいたい8,000円ほどもらえます。
それだけ見ると結構良さそうですが、実際には往復の時間や交通費、レタッチの時間などもかかるため最終的な時給計算をするともう少し欲しいかなという気持ちにはなります。
とはいってもホワイトの段階でもOurPhotoなどよりかは報酬は高い(OurPhotoも手数料30%程度取られて最初は1時間5,000円からのスタートになります)
fotowa

唯一一次審査で落ちたのがfotowaです。
一次審査に応募してからお宮参りや七五三を撮影したことはあるか、ある場合はポートフォリオに追加して送付して欲しいと言われましたが当時は実際に撮影したことがなかったのでその旨を伝えました。
すると後日不採用の通知がきたのでfotowaではそれなりの撮影経験が重要視されるようです。
実際に料金プランを見ても他社よりも撮影料金が高めのためカメラマン自体の選考もきっちりとやっているのかと思います。

1時間で75枚の納品って結構レタッチとか大変そうだなーとか思いますねこれ。
FOTORIAとかは1時間で30枚とかだったのでよかったのですが。
まとめ

出張撮影サービスの概要と選考時のポイント、各サービスの特徴について紹介しました。
スマホで綺麗な写真が撮れるようになった今、カメラマンとして求められるのはより確かな技術とサービス精神、お客様をリードする力になります。
ただ、それらを持っていればこれからいかにスマホのカメラが高機能化しようと出張撮影自体は残り続けるサービスになるかと思います。
カメラの副業自体初期投資が結構かかってしまうのがネックですが、まさに趣味を仕事に活かせる良い副業だと感じています。