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カメラについている内臓フラッシュを使用したことがある人はどれだけいるでしょうか。
フラッシュのボタン(たいてい雷っぽいマークのやつ)を押すとポコんと出てくるやつです。
にゃー
takeishi
フラッシュ撮影と聞くと、以下のようなイメージを浮かべる方が多いと思います。
「被写体が暗くて見えない時に使用する」
「夜にちょっと明るめに撮りたい時に使用する」
上記の例が一般的に認知されているフラッシュを用いた撮影方法ですが、フラッシュでの撮影って被写体自体は明るくなるものの、他の部分が暗くなってしまったりしてあからさまなフラッシュ撮影感が出てしまうことも多いと思います。
そのため、個人的にはそういったフラッシュ撮影の使い方は好みではありません。
室内や天井がある場合にしか使えませんが、「天井バウンス」と呼ばれるフラッシュ撮影方法を覚えると一気に撮影の上級者っぽくなれます。
本記事では実際の撮影方法とフラッシュの使い方による作例を比較して解説していきます。
フラッシュ(ストロボ)撮影とは
「フラッシュ撮影」で意味自体は通じるとは思いますが、ストロボ撮影と呼ぶのが一般的です。
(ストロボ自体もCanonが商標取ってるらしく一般名称では無さそうですが。)
カメラに内臓されているものも多いですが、より機能面(強力なフラッシュ)などを求める人は外付けのストロボを利用しています。
外付けを買ってまで撮影するつもりは無いけど、せっかく内臓されているんだったら活用してみたいと思いません?
フラッシュを使用することで今まで撮れなかった良い写真が撮れるとなるとなおさら使ってみたいですよね?
冒頭でも記載していますが、フラッシュ撮影直接被写体にフラッシュを当てると、被写体だけが妙に明るくなって光が当たっていないところには影ができる「あからさまな写真」になってしまいます。
ただし、撮影時にちょっとした工夫をすることで「全体的に明るくふんわりとした写真」を撮影することができます。
やりがちなフラッシュの直射撮影

ここで一旦通常のフラッシュ撮影だとなぜ綺麗な写真が撮れないのかについて記載していきます。
まず、「直射撮影」と言うのはフラッシュの光を直接被写体に当てて撮影を行う方法のことです。
カメラにそこまで詳しくない人からすると一般的な撮影方法かと思います。
直射撮影自体を否定をしたい訳ではないのですが、フラッシュの光を直接被写体に当てるのってあまり良い作品にならないんですよね。
もちろん作品のテイストで直射を意図して使う場合は良いのですが、たいていの場合は「あからさまな写真」になります。
- 被写体だけが妙に明るくなる
- 被写体の後ろに影ができる
- 被写体が明るすぎて白とびする
とかとか。別に悪くないと言えば悪くはないんですよね。ただ個人的にちょっとねって話しです。
じゃあどうやって撮影するのが良いのかと言うと、「バウンス撮影」を行うのが最も簡単な撮影方法になります。
※バウンス = Bounce = 反射 を意味します。直接被写体に光を当てるのではなく、反射した光を被写体に当てて撮影する撮影方法です。
バウンス撮影には、「天井バウンス」や「壁バウンス」など、光の反射のさせ方によっていくつか名称が異なります。
天井バウンスとは
バウンス撮影にもいくつかやり方がありますが、ここでは天井に光を反射させる「天井バウンス」について紹介します。
天井バウンスなので室内など天井があるところ限定になります。
そのため撮影シーンが限られてきますが、覚えておいて損はないです。
天井バウンスで基本的なフラッシュ撮影を覚えることで工夫次第でいろんなシーンでの活用が可能となるはずです。
まず、天井バウンスの撮影方法ですが、「天井に向けてフラッシュを焚いて撮影する」方法になります。
内臓フラッシュでフラッシュの向きが変えられる場合は指で上を向くように抑えて撮影すれば天井バウンスが可能となります。
内臓フラッシュを上に向けることができない人は外付けのストロボを買うと良いです。
メーカーの純正品は2〜3万円以上したりするのですが、中華製のストロボだとなんと3,000円からあるのでとりあえずストロボ欲しいと言う方におすすめです。
※ストロボとして最低限の機能は揃っており、僕の愛用しているSONYのα6500やα7Ⅲでも使用可能でした。
天井に向けてフラッシュを炊くことによって、天井に反射した光が被写体の周囲も含めてまんべんなく光が行き渡るため、直射撮影のあからさまな写真とは異なる全体的に明るくふんわりとした写真の撮影が可能となります。
ただし、この撮影方法にはいくつか制約もあります。それは、天井が高すぎるホールのような空間だとあまり意味が無い可能性があることです。
天井が高すぎると天井に反射して返ってくるほどの光が足りないためです。
(このような場面では外付けの強力なストロボを利用したりします。)
また、天井が暗い色の場合は光が吸収され、反射されなかったり、色付きの天井の場合、反射した光全体にその色味が出てくることもあります。
- 天井が高すぎると使えない
- 天井が暗い色合いだと使えない
- 写真全体が天井の色味になる
内臓フラッシュを利用する場合は、普通の部屋や会議室程度の天井の高さで無いと厳しいです。
結婚式の会場とかだと、外付けのストロボを使用した方が無難です。
- 天井に向けてフラッシュを焚いて撮影する
- 全体的に明るくふんわりした写真が撮れる
- 室内など天井があるシーンで活用可能
天井バウンスでの撮影例
それでは天井バウンスで写真の雰囲気がどのように変わるのか実際の撮影例を紹介します。
※室内の撮影で、ミラーレス一眼の内臓フラッシュを天井に向けて発光させて撮影しています。
フラッシュ無しでの撮影

それなりに撮れていますがもう少し全体的に明るさが欲しいところですね。
天井バウンスでの撮影

全体的に明るく雰囲気の良い写真に仕上がっています。
シャッター速度やF値、ISOなどは一切変更せずに単純に天井バウンスを追加しただけになります。
「シャッター速度をこれ以上遅くしたくない」場合や「ISOをこれ以上あげたくない」場合にも天井バウンスが活用できることがわかりますね。
にゃー
takeishi
フラッシュ直射での撮影(おまけ)

ちょっとひどすぎる感がありますが、先ほども記載した「被写体のみが明るくなる」「他が暗くなり、濃い影ができる」と言う特徴がもろに出てますね。フラッシュ撮影のイメージがこれでついてしまうと撮影時にフラッシュを使う気が無くなりますが、天井バウンスのような使い方と、その作例を知っておくだけで一つの撮影方法として活用できるかと思います。
上の例とか、別売りのストロボとかではなくて内臓のストロボ使ってるだけですからね。
せっかく付いているからには使わないともったいないです。
ついでにもう一つ別のシーンもあげておきますね。
次は右側に窓があって、そちらから光が入ってきているシーンです。左側がどうしても暗めになってしまいます。
そのようなシーンでも天井バウンスを活用することで全体的に明るい写真を撮ることが可能となります。
フラッシュ無しでの撮影

天井バウンスでの撮影

お手軽にできるのでぜひ天井バウンスを試してみてください。
まとめ
ストロボ撮影の魅力は伝わったでしょうか。
今回は天井バウンスの紹介だったので、「全体的に明るい写真」に仕上がりましたが、壁バウンスを使うことで、陰影の強弱を付けたような写真の撮影も可能です。
いろんなバウンス方法を覚えると、人物や料理、小物などをちょっとした工夫で今まで撮れなかったような作品に仕上げることも可能です。
ぜひ一度試してみることをオススメします。
- 天井や壁にバウンスさせて使用する
- 全体的に明るい写真や陰影を付けた写真の撮影が可能
- シャッター速度やISOを変えずに明るい写真が撮れる
- 内臓ストロボでも天井バウンス自体は可能
- 外付けを変えば壁バウンスや式場での撮影も可能
以上、素敵なカメラライフを!
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